「学生にとって1番良い採用活動を」中長期を見据えた採用マーケティング

SOMPOケア株式会社

  • 事業内容
    有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームの運営、居宅サービス事業
  • 従業員数
    連結 24,936名(パート社員含む)※2023年8月1日時点

介護付きホームをはじめとする介護サービスを総合的に展開するSOMPOケア株式会社。介護のリーディングカンパニーとして、給与の改善など人材への投資にも積極的に取り組まれています。採用活動においては、昨今の採用市場の動向に対応すべく、マーケティング視点を取り入れ始め、ターゲット学生のインサイトを捉えたコンセプトメッセージの設計、各種オンラインコンテンツの制作などを実施。今の学生に寄り添った、効果的でかつ効率的な自社採用の推進を続けています。今回は、同社の人材採用部新卒採用課長の湯浅学様に、どのように採用マーケティングに取り組まれているかについてお話を伺いました。

(※)「THINK for HR」とは、SNS(Facebook、Twitter)上のエンゲージメント(「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」などのアクション)データを定性、定量の両面で収集、分析することができるソリューションです。企業が使用することで、自社が知りたいトピックに関して、SNS上でどんな投稿や記事がどれほど話題になっているのかをタイムリーに把握できます。また、調査結果に基づき、No Companyの専門アナリストによって、採用マーケティング戦略の立案〜各種コンテンツ制作、実行までを一貫して支援しています。

 

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ナビサイト優先の採用から「学生視点」の採用活動へ

採用マーケティングに取り組み始めた背景について教えてください。

コロナの影響もあり採用の環境が変化してきている中で、これまでのナビサイト優先の採用活動では、競合他社との優位性を示しづらくターゲットとする学生を集めることが難しくなったことが背景にあります。また、介護業界が就職活動において人気業界ではないこともあり、受け身の採用ではなく、日頃から学生が利用しているSNSやプラットフォームで積極的に情報発信を行っていく必要性を感じていました。

 

当社は毎年300名の採用を目標に掲げているのですが、それを達成するために、単に母集団の量を増やすのではなく、「良質な母集団」の形成と選考プロセスにおける歩留まり率の改善に焦点を当て、企業都合の採用から「学生視点の採用」へシフトするため、マーケティング視点を取り入れ始めました。

「良質な母集団」を作るためには何が必要だと考えましたか?

早期化や通年採用化により、学生によって就職活動を始めるタイミングが異なることから、SOMPOケアについて知る機会を多く提供し、何かのきっかけで「SOMPOケアって良いな」と想起してもらえるような、長期的な記憶として残る状態を作ることが必要だと考えました。

 

究極ですが、学生が必要な時に、必要な情報を、必要なだけ得られる状態を作ることで、発信している情報に興味や共感を持ってくれた学生が自然に母集団に集まるので、それが理想形だと思っています。

どのような目的で「THINK for HR調査」を導入しましたか?

SOMPOケアを認知してもらい、就職先の候補として興味を持ってもらうためには、まず今のZ世代と呼ばれる学生たちが何を求めているのか、について知る必要性を感じていました。その背景としては、これまで採用情報として発信してきたコンセプトやメッセージがあまり学生に響いていないのでは、という肌感覚を持っていたためです。

 

THINK for HR調査を実施することで、ソーシャル上のデータを起点にターゲットや学生のリアルなインサイトを知れることから、介護業界やSOMPOケアに対して学生が抱いているイメージを正しく把握でき、コンセプトの見直しやコンテンツの魅力化に役立つのではないか、と思い導入を決めました。

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良質な母集団形成のために、SOMPOケアの魅力が伝わるコンテンツ作りを

採用マーケティングに取り組むにあたって、社内をどのように巻き込んでいきましたか?

前提としてSOMPOケアには、新しいことや挑戦することに寛容的な風土があり、採用マーケティングに取り組み始める際も、社内で提案をしやすい環境がありました。それに加えて、採用チーム内で「集客の自走化」と「候補者のグリップ力を高める"最強のリクルーター集団"」を中長期の目標として掲げていたので、そのために新たな採用の形を作っていく必要があることを社内で積極的に伝えていきました。

 

時には上長に理解してもらうために何度も説明を繰り返す場面もありましたが、常に目的を達成するための意義や根拠を示すことで、採用チームの意見がまとまるようになり、現在では全員で同じ方向を向いて施策を進められています。

現在、調査に限らず採用コンセプトの設計やLPの制作など幅広くご支援させていただいております。コンテンツ作りも当社に依頼を決めた理由について教えていただけますか?

私たちが目指している採用活動において、現状足りていない部分を、広い視点を持ってご提案いただき、上流から下流まで一緒に伴走していただけるところに魅力を感じ、調査以降の施策についてもお願いしました。ナビサイト外で母集団を作っていくための手法を模索していた当社にとって、ターゲットのニーズや興味に合わせた企画の提案や、SNSやWebメディアを用いた情報発信の支援をしてくれる部分をとても頼りにしています

 

現在は、採用ホームページやコンセプトムービー、メディアタイアップ記事、SNSなどの制作も伴走していただいております。

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THINK for HR調査で得た学生の本音を元に、“あるべき”採用の形へ変革していく

THINK for HRの活用で、どのような変化がありましたか?

THINK for HR調査は、ターゲットの理解とSOMPOケアが打ち出していくべき訴求軸の整理に役立ちました。その中でも、高齢者に対してネガティブな意見があったり、介護業界に対する学生のイメージと実態に乖離があることに気付けたことが、コンセプトやコンテンツ制作の大きな手がかりとなりました。

 

例えば、「介護=寝たきり」のイメージがあり、そもそも介護保険について知らない学生も多いことが調査からわかったのですが、当社が介護サービスを主事業として展開している中で、業界イメージを払拭する発信により新たな認知や興味を獲得できる可能性を感じました。また調査を通じて、高齢者に焦点を当てたコンセプトを見直し、よりSOMPOケアの経営理念にも接着する、ご利用者さまや社員の多様性や自己実現が重視されることを強調した「らしく生きる人、SOMPOケア」へ変更が決まりました。

 

リニューアルした採用サイトは先日公開しましたが、学生からの反応や新しいコンセプトを主軸にした今後のコンテンツ展開が楽しみです。

最後に、今後の採用マーケティングの展望について教えてください。

今No Companyさんと一緒に進めている施策を起点にPDCAを回していくことで、これまでのナビサイト偏重型の採用を脱却し、学生に寄り添った"あるべき"採用の形を作っていけると信じています。

 

また、26年卒の採用以降はチーム内で自走化できる状態を目指しており、「学生にとって1番良い採用活動」を作れる強力なチームを構築していきたいです。例えば、社内で採用ホームページやLPなどをGoogleアナリティクスで分析できるようになり、各メンバーが課題を見つけて、改善案が飛び交うようなチームとかって理想ですよね。

 

今後も学生が求めている情報に常に関心を向けながら、様々なチャレンジを行っていきたいと考えております。

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