「新たなターゲット層に刺さるコンテンツを」THINK for HRが実現した、母集団にいない学生たちの採用

三井住友カード株式会社

  • 事業内容
    クレジットカード業務、デビットカード・プリペイドカード・その他決済業務、ローン業務、保証業務、その他付随業務
  • 従業員数
    2,601名(2021年3月末時点)

日本におけるクレジットカード業界のパイオニアとして、市場をリードしてきた三井住友カード株式会社。これまで培ってきたノウハウやアセットを活かしながら、健全なキャッシュレス社会を実現するための挑戦を続けています。競合優位性を確立するため、専門領域でポテンシャルを発揮できる人材の採用にも注力。母集団に少ない新たなターゲット層にも、積極的にアプローチしています。同社が取り組んでいる採用マーケティングとTHINK for HRの活用について、人事部の福本玲様にお話を伺いました。

 

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母集団以外のターゲット層へアプローチする必要性を感じたことがきっかけに

THINK for HR導入前の課題について教えてください。

そもそもの課題感として大きかったのは、金融業界の変化に対する危機感です。キャッシュレス化が進むなかで他業界との垣根がなくなり、IT系の経済圏を基盤とする企業がどんどん金融業界にも参入してくるようになったのです。三井住友カード(以下、SMCC)がキャッシュレス推進のリーディングカンパニーとして優位性を発揮するために、SMCCのブランド力として事業のスピード感や先進性を高めることが、以前よりも求められるようになりました。

 

お客様が求める決済体験を素早くマーケットへ展開する、当社が保有している決済データ等を活用した新たなビジネスを確立するといったミッションを実現するため、マーケティングやデータ分析などの専門領域でポテンシャルが発揮できる人材を積極的に採用していく必要性を感じるようになったのです。しかしながら、SMCCは学生から「会社基盤が強く安定している」といったイメージを抱かれやすく、クリエイティビティやデータ分析の素養を持った学生が集まりにくい傾向にありました。そこで、現状を正確に把握し、状況を改善するため、採用マーケティングに取り組むことにしました。

採用マーケティングでは、どんなことから始めましたか??

採用マーケティングでは、リブランディングや採用ターゲットの変更に取り組む必要がありました。方向性は社内や上司の合意も取れておりましたが、採用マーケティングが社会的な認知度が低かったこともあり、実行の直前で本当に実効性があるのか改めて、社内での議論に時間を要しました。

 

というのも、これまでの採用活動では、面接・インターンシップを工夫すれば、自社で活躍できる人材を獲得できるという成功体験があったからです。

 

しかし、先程申し上げたターゲット学生の質的変化や採用市場そのものの早期化・長期化を鑑みると、面接・インターンシップといった母集団形成後のコンテンツをリッチにしたところで、新たに求めるマーケティングやデータ分析に興味のある学生にそもそも認知すらされないといった危機感を抱くようになりました。そこで、学生が就職活動を始める春・夏に接点を前倒しして、母集団外のターゲット学生に当社を認知してもらうために、採用活動にマーケティングの視点を取り入れることが重要であると考えるに至りました。

 

社内でこの課題・打ち手に対する納得感を醸成するために、私たちが最初に取り組んだのは、「求める人物像の言語化」です。経営層や社員50〜60人に協力してもらい、今後の事業展望についてのインタビューやアンケートを行いました。また、適性検査や性格診断を分析し、ターゲット人材の社内分布を調査しました。その結果、将来的にSMCCに新たな価値を創出し得る人物像は、自然体に集まる母集団にはあまり含まれていないという事実が明確に分かったのです。

つまり、面接・インターンシップといった母集団向けの施策ではなく、その手前の、「誰を母集団に取り込むのか」に課題があることが浮き彫りになったのです。この結果を受けて、採用マーケティングに対する社内理解も一気に進みました。

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THINK for HRは、求めている学生に刺さる情報を発信できる

採用マーケティングで、THINK for HRのサービスをどのように活用していますか?

THINK for HRを活用しているのは、学生が当社を最初に知る「認知」のタイミングです。ボリュームの多い母集団に向けた情報発信ではなく、採用したいのにできない層、当社を知ってほしいのに認知が進まない層に対してのアプローチで役立っています。手法としてはメディアタイアップやSNS広告を使って、採用ターゲットの目に触れるところに情報を置くことに注力してきました。

 

ターゲットが「就職活動を通じて何を知りたいのか」を理解することが最も重要ですが、その本質的な部分について私たちには全く知見がありませんでした。何となくターゲット学生は「若い内から成長できる環境」や、「どんな業界でも活躍できるポータブルスキルを得られる環境」を求めていることは把握できていましたが、その文脈は他の業界でもよく言われていることです。その真意や、SMCCとしてどのようなメッセージを発信すれば求めている人材の琴線に触れるのかといった点になかなか解を導き出せない状態が続いていました。

 

そんなときにTHINK for HRを活用することで、徐々に潜在的なニーズを精緻に知ることができるようになりました。さらに、学生が知りたいことを私たちが把握したとき、SMCCの文脈のなかでどんな情報を伝えるべきなのか、HOWの部分でも役立っています。例えば、各コンテンツの制作ディレクションで、言葉の選び方をサポートしてもらったり、学生たちへ刺さるワードを最適なかたちで発信できるので、とても心強く感じています。

THINK for HRで認知の部分を強化しながら、他にどのような施策を行なっているのでしょうか。

「認知」の次に「興味・関心」のフェーズを設定しておりますが、SMCCのことをもっと知りたくなるコンテンツとして、eBook(電子パンフレット)などが挙げられます。その後の「理解」のフェーズでは、デジタルマーケティングよりもリアルイベントを活用しています。例えば、説明会でインターン体験を実施することもありますが、全般的な業務を体験してもらうのではなく、デジタル、マーケティング、商品企画など興味のある専門領域ごとにコースを設定し、入社後の活躍領域を具体的にイメージして頂けるようにしています。

 

さらに、SMCCの事業と仕事内容を理解したインターン学生に対しては、入社後の働き方や他の社員への理解を深めるために、デジタルコンテンツを案内します。プロジェクトの背景まで詳しく書かれた記事コンテンツや、SNSで社員のインタビュー動画などを共有したりしながら、入社後の自分の姿をイメージできるような情報発信をしています。

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ターゲット層の内定者割合が高まる。新入社員に多様性が生まれ、先進的な企業イメージへシフト

THINK for HRを利用するようになって、採用活動にどのような変化がありましたか?

以前は、当社の安定性に魅力を感じる方がほとんどだったのですが、導入後は当社に「先進的」「挑戦的」などのイメージを抱いている志望学生が徐々に増えてきています。面接で志望理由を聞いたり、WEBサイトで学生のコメントを見る中で、学生の大きな変化を肌で感じています。記事コンテンツで私たちの想いに共感する学生も増えており、着実な成果を実感しています。

 

当初のターゲット層に設定していた専門領域で高いポテンシャルを発揮できる人材も、内定者の割合で着実に増えています。実際に、入社後間もないにも関わらず、新規施策や業務改善に向けて取り組む姿を見て、現場から驚きの声を聞くことがあります。今まで当社に少なかった専門知識を持った人材が増え、メンバーに多様性が生まれることで、先進性が高まっていると感じています。

 

また、THINK for HRを活用して制作した記事は、エントリー後の学生たちから好評です。例えば、決済プラットフォーム「stera」の記事は、決済端末を生み出すためにどんなところから情報を得ているのか、社内でどんな合意形成を取ってプロジェクトを進めていくのかなど、開発プロセスを詳しく紹介しています。SMCCのリアルな業務や社風を知ることができるコンテンツとして、染み付いた堅いイメージを払拭するのに役立っていると感じます。

THINK for HRの導入後、人事部内の業務でメリットを感じることはありますか? 

デジタルコンテンツが増えたことによって、コンテンツが属人化することなく社内に蓄積されていくので、どのような文脈で採用のストーリーを語ってきたのか、新しく入ったメンバーもすぐに理解できます。例えば、新たに採用企画に加わったメンバーも、当社の採用ストーリーに短期間でキャッチアップして、現在ではeBookの制作やSNS配信などいろいろなコンテンツ制作で活躍してくれています。

最後に、最近の採用活動における学生からの反応を教えていただけますか。

よく言われるのは「就職活動のなかでSMCCに触れる時間が一番長かった」という声です。リアルイベントに加えてWEBコンテンツが充実していたので、コロナ禍でも企業研究がとても進めやすかったという声が数多く寄せられています。

 

今後は学生からの口コミにもフォーカスしながら、取り組んでいきたいと考えています。ポジティブな評価やコメントをオープンチャットなどに書いていただける機会が増えれば、今後の採用にもつながるのではないでしょうか。

 

彼らが自身の文脈で情報発信していくことにより、SMCCの新たな企業イメージが作られていくと思います。THINK for HRをさらに活用しながら、オーガニックでポジティブな情報を今後も増やしていきたいと考えています。

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