採用マーケティングに活用したい、候補者のインサイトを把握するコツ

2024/3/28 Thu. ライター : Rie Omoto
  • 採用マーケティング
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 採用マーケティングの施策を検討する際に活用したい「インサイト」についてご存知ですか?候補者のインサイトを捉えて施策を考えられるようになると、より自社が採用したい候補者に適切なコミュニケーションを行えるようになります。今回はそんな「インサイト」とは何か、その重要性と把握するコツについて解説します。ぜひ最後までお読みください

インサイトとは何か


「ニーズ」と「インサイト」の違い

 「インサイト」とは、英語で「洞察」を意味する言葉で、ビジネスやマーケティングの領域では、ユーザーの消費行動の根拠や動機のことを指しています。通常よく使われる「ニーズ」とは異なり、ユーザーが発する「〇〇が欲しい」というニーズをさらに深掘り、「ユーザー自身も気づいていない」行動の動機や価値観を特定することが重要です。

「インサイト」の重要性

 インサイトを特定することで以下のように施策検討に活かすことができます。

・表面上のニーズに対した場当たり的な施策ではなく、本質的に候補者体験の満足度向上につながる施策を検討することができる
・他社とは違う訴求ポイントを発見できるため、競合との差別化が行える可能性がある
・短期的なトレンドに対してではなく、比較的変化が起きづらい候補者の不変な欲求にアプローチできるため中長期的に成果をもたらす施策を検討することができる

「インサイト」の例

 新卒採用の候補者のインサイトを例に挙げてご紹介します。
例えば、新卒採用の候補者に「柔軟な働き方をしたい」というニーズがあると仮定します。
この言葉をそのまま受け取って、採用メッセージを検討するとなると、「こんな制度や福利厚生があります」といったような環境をアピールすることが多いのではないのでしょうか。
しかし、ここで「なぜ柔軟な働き方をしたいと思うのか」を考えてみるとどのような施策の変化が起こるでしょうか。「プライベートで取り組んでいる趣味を社会人になっても続けたいから」「自身が力を発揮するために必要な環境がどのようなものかまだ分からないから」など、一言に「柔軟な働き方」といってもあらゆる背景が隠されています。このようなインサイトに対して施策を当てはめていくと、「趣味やプライベートでの活動を積極的に行っている社員を紹介する」や「自己の能力に合った働き方が選択できる職場環境の紹介」など訴求する内容をより具体的にしていくことができます。

インサイト発掘の手法


インサイト分析のプロセス

 インサイトを特定するためには、候補者への定性インタビューを行い、分析することが一般的な手法です。候補者へのインタビューが難しい場合は、直近採用した社員に対してヒアリングしてみるのも良いかもしれません。


    • 1、候補者のペルソナを定める(※ペルソナについてはこちらの記事で解説しています)
      2、候補者に対し、採用プロセス内外で行っていた行動についてのインタビューを行う
      3、インタビューの発言録から採用活動に対する発言をピックアップする
      4、発言の背景に隠れた思考や根拠を推察する
      5、複数の思考や根拠を取りまとめ「候補者のインサイト」として言語化、可視化する

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    • 分析には以下のような種類を活用します。

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    • 上位下位分析

    •  収集されたインタビューの情報から共通のトピックや傾向を抽出し、その重要性や出現頻度を比較して、洞察を得る手法です。これにより、インタビューの主要なテーマや傾向を特定し、課題や機会を明確にすることが可能になります。

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    • ・KA法

    •  インタビューで明らかにした行動・体験などの「発言」の背景にある価値観や心の声を推察し、明らかにしていく手法です。これにより、複数の候補者で共通している価値観や、重要な体験設計のポイントなどが明らかになります。

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    • ・行動フローの可視化

    •  インタビューで収集した各候補者の行動を分類し、共通項や分岐点をまとめることで、どのような出来事がきっかけで候補者が行動や判断を行うのかを特定する手法です。これにより、理想的な候補者体験の設計が可能になります。

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  • 分析プロセスの注意点

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  •  インサイト特定のためには、適切な定性データの収集と分析が不可欠です。以下のポイントに注意して行っていくことが重要ですが、専門性が高い内容になってくるため外部パートナーの力を借りることがおすすめです。


      • ・インタビュー調査では「Yes/No」で答えられる質問ではなく、採用活動でペルソナが実際に行った行動を聞いていく
        ・発言をそのまま受け取らず、「なぜその発言に至ったのか」を分析時にもう一段深く考える
        ・複数のインサイトの種を放置せず、施策に応用できる分量に結論を収束させる

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        まとめ


         

      • 採用ブランディングのご相談は、No Companyへ

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      • 以上、採用マーケティングに活用したい、候補者のインサイトを把握するコツについてお伝えしました。No Companyでは、採用マーケティングを支援するサービスを多数行っています。サービス内容について詳しく知りたい方は、以下よりお問い合わせください。

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